高村光太郎「智恵子抄」味わう
智恵子抄を読み返した。安達太良山で「ほんとの空」を見たので、その余韻に浸ってゆっくり智恵子抄を味わいたかったから。しみじみ光太郎の智恵子への愛が感じられる詩集である。
『あどけない話』
智恵子は東京に空がないという、
ほんとの空が見たいという。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間にあるのは、
切っても切れない
昔なじみののきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言う。
安達太良山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとのの空だという。
あどけない空の話である。
〈今日の一枚〉
↓ピーナッツかぼちゃ/ バターナッツかぼちゃ
英語でbottle pumpkin 🎃 と言うらしい。
因みに↓これはbottle duck と呼ぶとオランダの友達から写真が届いた。(笑)